すみなすものは

映画、文学、人文情報学(デジタルヒューマニティーズ)についての話題あれこれ。時には日経平均ウォッチャーとしての雑感も。

10大リスク

 以下、ジェトロの海外ニュースからの引用です。今朝の報道番組でも紹介されてましたね。アメリカの調査会社(ユーラシア・グループ)が発表した今年の10大リスクは次のとおり。

10位:米国の企業リスク

9位:エルニーニョの再来

8位:インフレによる経済への逆風

7位:重要鉱物の争奪戦

6位:回復しない中国

5位:ならず者国家の動向

4位:AIのガバナンス欠如

3位:ウクライナの分裂

2位:瀬戸際の中東

1位:米国の敵は米国

とのことです。このビジネス短信は、1~3位について次のとおり解説しています。

1位に挙げた「米国の敵は米国」について、米国の分極化と党派対立は歴史的な高水準にあり、「政治システムの機能不全は先進工業民主主義国の中で最もひどい」とし、大統領選挙がこの政治的分断を悪化させると指摘した。また、現在、2大政党である民主党共和党の大統領候補者として有力視されているジョー・バイデン大統領、ドナルド・トランプ前大統領はそれぞれ、高齢であること、訴追を受けていることなどから「大統領に不適格」とし、米国民の大多数はいずれの候補者も大統領に望んでいない、と痛烈に批判した。

2位の「瀬戸際に立つ中東」では、イスラエルハマスの衝突は今のところガザに封じ込められているとしつつも、イスラエルによるレバノンイスラムシーア派政治・武装組織ヒズボラへの攻撃などによって今後エスカレートしていくリスクがあると指摘した。また、イエメンの武装組織フーシ派の紅海での商船への攻撃が、貨物保険料の高騰、サプライチェーンの混乱、原油価格の上昇などにつながり、米国を含む世界経済にとってのリスクになるとした。

3位の「ウクライナ分割」については、ロシアが現在占領しているクリミア半島に加え、ドネツク、ルガンスクなどウクライナの領土の約18%の支配権を維持し、ウクライナは2024年に事実上分割される、と指摘した。またウクライナは、現時点でも米国からの支援低下によって打撃を受けている上、米国民の戦争への賛否が分かれていること、共和党議員の多くが追加援助に反対していることなどから、2024年以降は、米国のウクライナへの大型支援が難しいとの見通しを示した。

そして、注目すべきは1位の「米国の敵は米国」と、10位の「分断化が進む米国でビジネス展開する企業のリスク」とのこと。この二つは日本経済への影響がすこぶる大きい。特に、大統領選挙の結果が貿易摩擦の再燃、防衛負担の増大につながりかねないという点には注意が必要です。

平均株価がバブル時の最高値を更新する可能性はあるにしても、その上の4万円超えとなると靄の中。

 ここのところの連騰を遠巻きに眺めつつ、そんな風に感じてます。